今,この時期に独自のDRMを実装したあぷるの意図は?
quote:アップル社の音楽製品発表会では,1曲わずか99セントでiPodへの転送は無制限となる楽曲をAACファイルで販売する,iTunes ミュージック・ストアが発表された。スティーブ・ジョブズCEOは,iTunes ミュージック・ストアでは「レコードやCDと同じようにユーザーが音楽を所有できるサービス」を目指したという。カザーなどのファイル共有ソフトがライバルとなるが,品質と時間を考えたら,カザーは最低賃金以下で働いているようなもの,と評した。
スペシャル・ミュージック・イベントと称されたジョブズ氏の講演のウェブキャストをみた。プレスプレイもラプソディも使えないサービスだと断言し,それらが使えない理由を10個あげ,iTunes ミュージックストアはそれをすべて解消していると云い切る。買ったファイルで好きなだけ音楽CDを作れ,iPodに転送しろ,iMovieなどでのサウンドトラックに使えと煽り,それで1曲,スターバックスのコーヒー1杯分の値段(99¢)だとまくし立てる様は,iTunes ミュージックストアの魅力をかき立てた。
iTunes ミュージックストアで購入した楽曲の制限として,認証を受けた3台のマックでしか再生できないというのだけがあるようだが(アップルのページに掲載されたiTunes 4の認証・認証解除の情報),これによって急にパソコンがクラッシュした場合(認証を解除できなかった場合)でもまったく聴くことができなくなるようなことを防ぐことができる。認証の情報(iTunes ミュージックストアのアカウント情報)はAACファイル内に記録され,最初の再生時にiTunes ミュージックストアと接続して認証を受ける。AACファイルをコピーしておけば,3回以内なら認証解除を怠っても再生可能になるということ。また,購入したAACファイルを集めて音楽CDを作成すれば,その音楽CDにはDRM(デジタル権利管理)情報は受け継がれない。つまり作成した音楽CDを再びリッピングしてAAC,またはMP3ファイルにすれば,認証が必要なくなる(らしい)。自分で試したわけではないので推測だが,この音楽CD作成(トーストでもクイックタイム6.2によってAACファイルから,直接音楽CD作成ができるようになるらしい)→リッピングによって音楽ファイル作成によってDRMを無効化できそうだ。こんな簡単な方法でぬぐえるらしいDRMには口あんぐりだけど,MEPG4を管理しているISMAが6月にMPEG4(AACオーディオファイルもこれに倣うだろう)へのDRM実装を予定している(CNET Japanの記事)のに,それに先立ってこのようなサービスを開始したアップルの(というかジョブズの)意図は,ISMAのDRMを回避したいということかも? とうがった見方をしてみたり…。
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